寝れない・・・
愛についてのキンゼイ・レポート レビュー:
10点中7点 
何が道徳的に正しいのか。何が正常と言えるのか。「性」という観点から、その問題を突き詰めた一人の男の物語である。
人の本能的に求めるもの、その一つに性欲がある。人の性的衝動というのが何処から来るのか。そもそも正しい性欲とは何なのか。ノーマルであるのか、アブノーマルであるのか。人は、悩み、葛藤する。
この映画は実に興味深い。50年〜80年前の性への知識の乏しさ。そこからくる間違ったセックスの知識。ゲイ、レズ、バイ・・・多くの性癖と性の存在。それを白日の下にし、正しい方向に導いたこの先生の功績は讃えるべきものだろうし、再認識すべきものだろう。
しかし、彼は結局「愛」という存在については、何も分からなかった。科学では解き明かせないもの、それが「愛」である。「愛」と「性」の関連性とはなんなのだろうか。私は、そこに疑問を感じてしまった。「性」とは、唯、種族維持本能的な部分からくるものだろうか?それとも、快感からくる「欲」なのであろうか。「愛」があり「性」があるのか?それとも、「愛」の延長線上に「性」があるのか?むしろ、「性」という実態さえまだ未知の領域があるのではないか?
この映画で、性犯罪者についても少し言及されている部分がある。それは、極めて間違った解釈ではないかと私は思った。一般の人との「性」と性犯罪者の「性」には決定的に違う部分がある。それは、理性と自我である。単純に「性」といっても、其処にそれがあるかどうかで、全然違うものではないか?「性」の間違った解釈は恐ろしいものになるだろう。そういう意義を持って作られた映画なら素晴らしいものだろう。
この映画の最後のくだり。私には、「人であることを楽しもうよ」と言ってるとしか聴こえなかった。なんとも恐ろしく、それと同時に、なんて甘美な言葉だろうと思ってしまった。全ての人におすすめは出来ないが、興味があるのなら一度見てはどうか。


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